虹彩認証ゼミナール【第2回】

虹彩と虹彩認証

虹彩とは?

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虹彩とは、カメラの絞り(Iris)のように、瞳孔に入る光の量を調節する、模様のついた筋肉組織です。

人体で唯一、外から見える内臓器ですが、角膜という「フロントグラス」で保護され、瞼の「ワイパー」と涙の「ウィンドウォッシャー」で常にきれいな状態に保たれています。

虹彩には、1年間に地球に降る雪の結晶の数よりもはるかに多く(10の78乗)のパターンがあります。

天文学的なパターン数があるので、数多くのサンプルの中から特定の個人を探し、同定することが容易にできるのです。これを「1対N認証」と言います。

1990年代の初めに英ケンブリッジ大学のドーグマン教授が開発し特許化したシンプルで高速の認証技術を使うことにより、最悪でも120万人に1人の割合しか本人以外の人を誤認証することがない、極めて高精度な生体認証が2000年前後に商品化されました。

この基本特許は数年前に切れたため、欧米をはじめ、中近東、インドなど、世界中の個人認証技術者とユーザーがこの技術に注目しており、この10年間で利用場面が急速に増えています。

認証が速い、きわめて正確、非接触でできる、顔や手を隠していても有効、人に優しい登録と認証などの特長のため「虹彩は個人認証の王者」と呼ばれています。


各種認証方式との比較

現在利用されている認証方式についてその特徴を下に整理します。

IDカード

最も多用される。一瞬で認証。貸し借り、不正取得等の不正行為に弱い。カード管理費用大。

指紋認証

1対1認証向き。低精度のため千人以上から探す1対N認証は無理。登録済でも拒否されることが多い。遺留指紋絞り込み検索(AFIS)に向いている。

顔認証

非接触認証は便利。低精度のため千人以上から探す1対N認証は無理。経年変化に弱い。登録済でも拒否されることが多い。駅頭などでの特定人物絞り込み検索に向いている。

静脈認証

1対1認証向き。海外事例少ない。低精度のため千人以上から探す1対N認証は無理。登録済でも拒否されることが多い。

虹彩認証

億単位の人間までの認証ができる超高精度。非接触で離れたところから認証することもできる。


 各種認証方式の特徴一覧

種類 登録者本人が拒否されないか 多くのデータから他人と間違わず認証されるか 多くのデータから認識するときの認証速度 使いやすさ
ID
カード

カード誤認証はほぼ皆無

持っている限り間違えない

極めて速い

認証は簡単だが所持が必要
指紋
指表面の状態に大きく依存
×
千人を超えると使えない
×
遅い

コツが要る感じ

表情、眼鏡、年月の影響大
×
千人を超えると使えない
×
遅い

非接触で自然
コツが要る感じ
静脈
指、手の置き方に依存大
×
千人を超えると使えない
×
遅い
コツが要る感じ
虹彩
目をしっかり開ければOK
まず間違えない
極めて速い
非接触で自然

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【企画・編集】 株式会社ロックシステム 顧問

 長瀬 泰郎

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