虹彩認証ゼミナール【第5回】

認証、認識、照合とは?

「認証」、「認識」、「照合」の3つの言葉を入れてネット検索をすると、複数のサイトで同じような答えが出てきます。

「教えて!goo」に載っているやり取りを見てみましょう。


教えて!goo

【質問】

”バイオメトリクス認証”などでよく出てくる認証、認識、照合の違いは何ですか?

教えてください。よろしくお願いします。

【ベストアンサー】

認証は、証明を認めること。ユーザIDとパスワードを入力して認証されてアクセスが可能になる、などと使う。

認識は、意識または識別されて確認されること。指紋や血管や人相を認識する、などと使う。

照合は、照らし合わせること。指紋Aと指紋Bを照合する、データベースに記憶されている人相と照合する、など使う。

指紋でドアが開くケースでは、以下のように組み合わせて使う。

指紋をスキャナーが「認識」し、それを、予めデータベースに登録されている指紋と「照合」し、マッチングすることで「認証」された結果、ドアが開く。

 【この回答へのお礼】

ありがとうございます。
「指紋認証」と言われている技術は、認識+照合+認証の3つが組み合わされているということですよね。なるほど。よくわかりました。ありがとうございます。


以上の回答はわかりやすいですね。

しかし、私は、この回答のうち、「認識」についてはちょっと違うのではないかと思います。

スキャナーやカメラは、指紋を「撮影」するだけで、誰の指紋かを識別するわけではありません。
(強いて言えば、スキャナーは指の画像の中から先端の指紋らしきものを「認識」するぐらいの機能を持っているかもしれません)。


3つの言葉の定義

3つの言葉について、私流の定義と説明は次の通りです。


1. 「認証」

Authentication

本人の申告によって下の「認識」と「照合」を行い、本人であることを確認して何らかの権限または資格を認めることです。

認証の結果はYesかNoしかありません。


2. 「認識」

IdentificationまたはRecognition

「識別」ともいいます。

複数の対象者の中から可能性のある者を絞り込み、特定人物を探し出すことです。

文字あるいはパターンの認識に似ています。

「1対N」という言葉がよく使われます。遺留指紋の検索絞り込みシステム(AFIS)や、駅頭などで撮影した沢山の人の顔から特定人物を探しだす技術がその例です。

虹彩方式を除く生体認識の場合、対象者の数が数百人以上になると、特定人物に似た人が複数名出てくることがあります。

それでも初めから人手で対象者全部を絞り込むよりも、はるかに少ない労力で特定人物を見つけられるメリットがあります。


3. 「照合」

Verification

2つのものを比較し、同一か否かを判定します。

「1対1」という言葉がよく使われます。

過去4回の本シリーズによれば、英国ケンブリッジ大学のドーグマン博士によるアルゴリズムを用いた虹彩認証は、数千数万以上の大きな数の対象者を検索し、「認識」と「照合」を同時に行って特定人物をほぼ間違いなく一人だけ特定することができる技術です。

他の人と間違える確率は120万分の1よりも悪くなることがありませんから、事実上虹彩だけで対象者の「認証」が可能になるのです。

仮に10万人の対象者があっても、検索し、「認識」・「認証」するのがわずか0.3秒以下の高速でできるのも虹彩認証の大きな特長です。

以上


INDEXに戻る

【企画・編集】 株式会社ロックシステム 企画室

  【文】 顧問 長瀬 泰郎

image_mini