虹彩認証ゼミナール 再開6回シリーズ[再開4回目]

虹彩認証だからできるインドのマイナンバー制

国内では

「行政の効率化」、「国民の利便性の向上」、「公平・公正な社会の実現」を目的として今年の1月に始まったマイナンバー制度は、まだすべての国民がカバーされておらず、また、カード不正使用によるなりすまし問題あるいはプライバシー保護の問題を解決する社会的枠組みが整っていないため、実効性が上がるまでにはしばらく時間がかかりそうです。


マイナンバー制度、先進国

ところで、世界で最も先進的なマイナンバー制を進めている国がありますが、どこだかご存じですか?

12億人の国民を抱えるインドです。
インドでは、「アドハー(Aadhaar)」と呼ばれるマイナンバーカードがすでに10億人以上の国民に交付されています。カードにはICチップが含まれていないものの、顔写真と12ケタのID番号が印刷されているのは日本のカードと同じです。しかし、大きな違いは、カード持ち主の生体情報(顔のほかに虹彩と指紋)がID番号と紐付けられて管理されていることです。


マイナンバーと虹彩認証

これまで、インド全国で1日当たり100万人のペースでマイナンバー登録作業が実施されてきましたが、なりすまし登録や二重登録などの不正登録を防ぐために大きな役割を果たしているのが虹彩認証です。登録した人一人ひとりに対し、過去すべての登録者の情報を比較確認して不正がないことを確認するのです。氏名だけでは偽名を見抜くことができません。顔で検索しても、両手10本の指紋で検索しても、既に登録した人の数が10億を超えるため、検索時間と誤認証を考えると現実的ではありません。そこで、検索スピードが速いだけでなく誤認証率が極めて小さい虹彩認証を基軸に確認し、この結果に対して他の生体情報と氏名、性別、年齢などをぶつけて、一人の人間に対して一つのID番号だけが付与されていることを確認します。
次のURLで、この壮大なプロジェクトのシステム部分を担うフランスのサフラン(Safran)による広告動画を見ることができます。


世界最大の生体認証管理システム

この仕組みにより、何のIDも持たない膨大な数の貧困層の人々が銀行口座を持てるようになり、公平にに補助金や食料配給が受けられるようになるなど、生活に余裕ができて個人消費が拡大するため、高い経済成長が実現できると期待されています。
一方で個人のプライバシー侵害が問題とされるなど、負の側面も議論されていますが、世界人口の17%を占めるインドでの壮大なプロジェクトは、世界のマイナンバー制度に大きな影響を与えるものと思われます。

この世界最大の生体認証管理システムの動向からは目が離せません。


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【企画・編集】 株式会社ロックシステム 企画室

  【文】 顧問 長瀬 泰郎

ナ/長瀬