教育現場における物理セキュリティ──教育現場における不法行為の抑止を考える
学校は子どもたちにとって学びと成長の場であり、何よりも安全であるべき場所です。
しかし昨今、教育現場における教職員や関係者によるわいせつ行為や盗撮といった不法行為が相次いでおり、教育現場における防犯対策の強化も喫緊の課題となっています。本コラムでは物理セキュリティによる抑止・防止の可能性、社会的要求と安心できる教育現場の未来を考察します。

海外における教育現場内わいせつ事件の実例と対策
2022年、米国カリフォルニア州のある中学校で、男性教師が女子生徒の着替え中に盗撮行為を行い、のちに児童ポルノ所持でも起訴されるという事件が発生しました。この事件では、教師が更衣室の換気口に小型カメラを仕掛けていたことが後日発覚し、大きな社会的議論を呼びました。
また、イギリス・ロンドンでは、2019年に校内の女子トイレに不審者が侵入し、スマートフォンで盗撮を行っていたケースがありました。こちらは、部外者の侵入を検知できなかった学校側の物理的防犯体制の脆弱さが指摘されました。
こうした事例から見えてくるのは、教育現場が「密室性」や「無防備な空間」を内包しており、犯罪の温床になりやすい構造的リスクを持っているという現実です。このような犯罪行為の抑止・防止のため、海外では以下の具体的な対策が取られています。
1.監視カメラの設置(CCTV)
教室や廊下、トイレの入口付近などに監視カメラを設置し、不審行動の抑止と証拠収集に活用します。なお、プライバシー保護のため、トイレ内部や更衣室などプライベート空間は、通常のカメラは設置禁止にするなどの対応をとるケースもあります。
2.定期的な物理的パトロール・巡回
警備員やスタッフによる定期的な巡回を実施し、不審人物や異常行動を早期発見します。
特にトイレ、更衣室付近など盗撮リスクの高いエリアは重点巡回箇所となります。
3. 盗撮防止センサー・探知機の導入
電波探知機や赤外線センサー、電波遮断装置(ジャミング機器)をトイレや更衣室近辺に設置し盗撮を防止します。ワイヤレスカメラの無線信号を探知し、隠しカメラを発見するRF電波探知機も効果的です。
4.専用の盗撮防止トイレ・更衣室設計
設計段階より壁や天井の構造を特殊にしてカメラの設置を物理的に困難にします。カメラを設置されないように通気口や照明器具などの隙間を塞いだり、または防犯ミラー処理やパンチングメタルなどを用いた盗撮防止素材を使用するケースもあります。
5.入退室管理の強化
トイレや更衣室の入退室をIDカードや生体認証で管理し不審な出入りを抑制したり、職員用の出入口と生徒用出入口を分けて監視するなど、保護対象箇所を重点的にチェックする仕組みが活用されています。

竹中エンジニアリング製品を用いた学校向け防犯システム構築例
海外の教育現場では、監視カメラや巡回に加えて、RF電波探知機などの高度な盗撮防止技術の活用や、物理的に盗撮機器の設置を困難にする環境設計も進んでいます。
一方、日本における教育現場は、その多くが高度経済成長期に建てられた建造物を利用しており、また人的リソースにも限りがあるというのが現状です。この状況で、より良い対策を構築するにはどのような手段があるのでしょうか?
設立から50年以上、信頼性の高いセンサー・セキュリティ機器を提供し続けてきた京都発の専門メーカー、竹中エンジニアリングは、防犯・監視・アクセス制御から、介護・見守りシステムまで幅広く対応するラインナップで、国内のみならず海外にも広く展開しています。
学校施設にも応用可能な多様な防犯機器を提供する同社の、校内防犯システムの一例を見てみましょう。
1. トイレ用センサー TS-7U
校内トイレや更衣室の入口付近に設置することで、人の出入りを感知し、長時間の滞在を検知します。監視されにくい場所でも異常を早期に察知することが可能です。
2. 8.6メガ全方位IRネットワークカメラ NAC-IR90i
赤外線照明搭載、集音マイク内蔵全方位ネットワークカメラです。ネットワークレコーダーとの連携により、不審な行動を時系列で確認できます。記録に残す・異常に気づくという防御構造に加え、犯罪抑止効果も発揮します。
教職員や関係者の基本行動のルール策定や、意識向上を目的とした教員や職員への研修、不法行為により被る法令上の罰則や社会的批判などのデメリットの啓蒙など、ソフト面での対策はもちろん、同社の学校の外周警備や非常通報装置を組み合わせることで、広大な敷地の外周警備を実施したり、校舎・敷地内への侵入をいち早く察知したりすることが可能です。
日本の習慣や社会的要求を熟知した、実績のある国内企業だからなし得る総合防犯は、日本の教育現場を守ります。






