介護施設における物理セキュリティ──“生体認証”が支える非接触と業務効率化の両立
日本では高齢化が進み、介護施設の数も年々増加しています。ご利用者様が安全かつ快適に生活できる環境を提供することは、施設運営の大前提ですが、近年では“物理的なセキュリティ対策”が不十分であったことによるトラブルも多く報告されています。
本コラムでは、介護施設におけるセキュリティの課題と具体的なトラブル事例を交えながら、生体認証システムの導入によって非接触かつ高精度な施設運営の実現と、その安全性と運用効率の向上を検討します。
介護施設で起きたセキュリティトラブルの実例
【事例1】暗証番号を“こっそり”覚えて脱出
暗証番号で出入りを管理するテンキーシステム。認知症の入居者が、その暗証番号を盗み見し、職員が目を離した隙に無断外出する事例があります。離接した入居者が交通事故や転倒・迷子になってしまい、最悪の場合死亡事故や重傷事故に発展しかねません。非常口から脱出して凍死、窓から脱走して転落死など、実際に裁判にまで発展した重大事件も報告されています。
【事例2】ICカードの貸与と回収漏れによるリスク増大
別の施設では、職員に貸与したカードリーダー用ICカードが回収されておらず、当該職員退職後も入室が可能な状態がしばらく続いていたケース。実際に退職者が不法侵入の上窃盗事件を起こした事例も報告されています。退職者本人に悪意がなくとも、カードが第三者に渡れば重大な事件・事故につながる可能性もあります。
【事例3】テンキーへの接触が感染経路に
2020年以降、感染症対策として非接触の仕組みが求められる中で、テンキーに触れるたびに消毒作業が必要となり、職員の業務負担が急増。消毒作業の煩雑さは施設内の感染防止が徹底されない理由となることはもちろん、職員の負担が大きくなることで労働環境の悪化につながり、間接的に職員の離職につながりかねません。
生体認証の導入による課題解決の有効性
上記のようなトラブルは、システム自体が抱える「人が管理・運用するセキュリティの限界」を表面化します。ICカードやテンキーなどの認証システムは、利用効率が高い反面、“人”に依存するがゆえにヒューマンエラーやルールの形骸化が起きやすいとも言われています。
これらのトラブルを解決する糸口として注目されているのが、「顔認証」をはじめとする生体認証システムです。
【生体認証がもたらす3つの価値】
1.非接触で衛生的な認証環境
顔をカメラに向けるだけで認証が完了するため、テンキーやICカードリーダーのように手を触れる必要がありません。感染症対策としてはもちろん、手ぶらでスマートな入退室は職員の業務効率を改善し、入居者様やそのご家族様にも安心を提供します。
生体認証という“替えのきかない本人性”を用いるため、カードの貸し借りや暗証番号の漏洩などによる不正アクセスを根本から防止します。生体の「深度」「瞬き」「動き」を検知して認証する昨今の生体検知技術(liveness detection)は、施設の安全レベルを引き上げます。
従来のICカード管理・再発行、テンキーの番号更新、感染症対策の消毒作業といった付随業務が提言することで、職員は本来の介護業務に専念できます。運用効率の改善と業務負担の軽減が、業務の質向上と働きやすい環境づくりにつながります。
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